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残業代請求

未払残業代の請求について時効期間の延長

会社(使用者)が従業員、特に退職した元従業員から、払い残業代(時間外、休日、深夜の割増賃金)の支払いを求められることは、珍しいことではありません。労働基準法が改正され賃金の請求についての時効期間が3年とされましたので、(正確に述べますと、時効期間は、行使することができる時から5年(改正前は2年でした)、ただし、経過措置として「当分の間」3年とされています)残業代の支払い請求を受けた場合には、請求の時から遡って3年分の残業代を支払わなくてはならない可能性があります。

出退勤管理の必要性

また、少し細かい話になりますが、残業代については訴訟で支払いが命じられる場合には、労働者の請求により裁判所が残業代と同額の付加金の支払いを命ずることができると定められていますので、裁判になった場合は3年分の残業代の2倍の金額を支払わなくてはならないおそれがあります。さらに細かくなりますが、賃金の支払の確保等に関する法律により、退職した労働者に対しては、退職の日までに残業代等を支払わなかった場合には退職の日の翌日から支払い済みまで年14.6%の遅延利息を支払わなくてはならないと定められています。通常の遅延損害金の利息は3%ですから退職した従業員から残業代の請求がなされた場合にそれが認められた場合の会社の経済的な負担は相当なものになる可能性があります。

付加金

このようなリスクを避けるためには、日頃から残業代の未払いが生じないよう、職場における出退勤の管理をきちんと行う必要があります。直勤・直帰を認めている場合に、出退勤管理があいまいになりがちですが、争いの元と言わざるを得ません。また、固定残業代(残業手当)を導入している会社は、通常の賃金と割増賃金とが判別できるようになっているか、固定残業代が時間外労働に対する対価として支払われていると認められるか、今一度検証をして下さい。さらに、事業場外労働のみなし制、裁量労働制、高度プロフェッショナル制などは、要件を満たすことを前提に、法定の手続きを踏まないといけませんので、導入する場合は専門家のアドバイスを得ておくべきであろうと思います。

就業規則の定めと実際の運用

「残業をする場合には事前に残業の申請をし、上長の許可を得ること」といった定めを就業規則に置いている会社も多いと思います。就業規則にこのようなルールを定めているのだから、事前の申請や上長の許可がない以上、仮に会社に残って仕事をしたとしてもそれは残業とは認めない、というご主張も良く聞きます。しかし、ルールを定めていても、実際の運用がルールに従ってなされておらず、残業申請や許可がないまま事実上残業がなされているといった場合は、会社はそのような残業を黙認(追認)していたとゆうことになりかねず、従業員からの未払残業代請求が認められる可能性があります。折角ルールを定めているのですから、そのとおり運用すること。未払残業代の問題への対処法は、基本的なことですが、日頃の労務管理をきちんと行うことが大切です。

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