運送業
2024年問題
トラック運送事業に関しては、トラックドライバーの労働時間が長時間となりがちなことが常に問題とされてきました。働き方改革に伴う労働基準法の改正により平成31年4月から時間外労働時間の上限規制が始まり、自動車運転の業務については、5年間の猶予期間が定められていたのですが、この猶予期間が終了する令和6年4月以降、自動車運転の業務に関しても時間外労働の上限規制が適用されるようになり、またこれに伴って厚生労働省の定める「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」(改善基準告示)も改められました。いわゆる2024年問題です。具体的な規制の内容につきましては、厚生労働省のHPで改善基準告示のポイントが詳しく解説されており、既にご検討されているかと思います。基準を守るため事業者がとるべき方策に関するヒントについても、令和元年8月に厚生労働省などがガイドライン(荷主と運送事業者の協力による取引環境と長時間労働の改善に向けたガイドライン)を出していますので、参考にして下さい。
労働時間の管理
このような法的規制の内容や改善のための取り組みを別としまして、トラック運送事業者の方からのご相談としましては、従業員であるドライバーからの時間外割増賃金の請求に関するものが多いと感じています。トラックドライバーは会社の事務所で業務をするわけではないので、会社としては直接労務管理ができません。会社は運転日報とタコグラフにより労務管理することになりますが、運転日報が正確に記載されていなかったり、タコグラフもデジタルでなければ改ざんされることもあります(タコグラフのデジタル化は今後順次義務付けられていますが、現時点では、特に中小の運送事業者ではアナログのタコグラフを用いている車両も多いと思います)。荷主との関係で無理な運行を断れなかった、あるいは荷主がドライバーに直接指示をして会社はそれを把握できていなかった、といった例も目にしますが、結局そのような場合でも不利益はドライバーを雇用している会社が負うこととなります。
実態の把握

当たり前のことではありますが、運行実態をきちんと把握することは使用者である会社の義務であり、また仮にドライバーからの時間外割増賃金請求が不当である場合にはそれに対する最も有効な(あるいは唯一の)対策です。運転日報の記載を正確に行うよう常日頃からドライバーへの指導をすること、タコグラフの記録が正確になされるようデジタコの導入も含め改ざん防止などの物理的な対策をすることなどが大切です。ちなみに、会社側が(荷主の意向に逆らえなかったためであっても)基準に反した運行をさせたことを隠すため、運転日報やタコグラフの改ざんを指示するなどは、もちろん論外です。
